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120年以上続くパスタ屋さん

私がレストランに勤め始めた頃、私はイタリア料理に関してほとんど何も知識はありませんでした。

なので、レストランで使われている食材がどのレベルのものだっだのか全くわかりませんでした。

でも後でわかってビックリしたんです。

そしてなんて幸運だったんだろうと思いました。

どれもシェフが選んで質の良いものばかりを使っていたんです。

そしてそれをいつも賄いで食べさせてもらっていました。

その一つがパスタです。

職人さんが作っているパスタ。

”FABBRI"

この会社は1893年に設立されました。今の社長さんで4代目で、strada in chiantiにずっとお店を構えています。

イタリアにもpasta artigianale(職人さんが作るパスタ)はあれど、彼が作るようなパスタ屋さんはイタリアでも5つ残ってあるかどうか、だそうです。

フィレンツェ大学の研究ではいわゆる大量生産のパスタを食べ続けている人と、職人さんの作ったパスタを食べ続ている人とではアルツハイマーになる確率が全く違うという結果が出ています。

彼の作る(乾燥)パスタは昔ながらの良質な小麦をトスカーナの土壌で生産したものを使っており、グルテンの含有量は消化にいいとされている8〜10パーセントを超えることはありません。

パスタを乾燥させる時も、38度で6日間(5日間乾燥+1日冷ます作業)かけて行っており、この温度でこんなに手間をかけて作っているところはなかなかお目にかかれません。

イタリアで使用されているパスタの種類はだいたい50種類ほどだと言われていますが、彼のところではなんと100種類のパスタを作ることが可能だそうです。

そして写真のように昔はパスタをこの家具のようなたくさんの引き出しのあるものに小分けされていてお客さんに売られていたそうです。

彼がパスタの話をする時は、愛情たっぷりにそして本当に嬉しそうにニコニコしながら話します。

もう最愛の人のことを話しているかのようです。

昔ながらの製法と質を守っていくこと、そして受け継いでいく人達。

簡単ではないですが、情熱を持って続けていてくれるからこそこういう美味しいパスタを食べれるので感謝しないといけませんね。

イタリア人はpasta bianca(茹でたパスタにオリーブオイルとパルミジャーノチーズをかけて食べます)が大好きです。

私はイタリアに来たばかりの頃、このpasta biancaを食べる時は何か物足りなくいつもソースが欲しいと思っていました。が、食べ慣れるにつれパスタの味が一番よくわかるという事がよくわかりました。日本人のご飯だけ食べるとお米の味がわかるというのと同じですね!

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